ご存知のように、Amazonは世界最大の「検索エンジン」の一つです。毎日、何千人もの人々がAmazonの検索バーを使って、お気に入りの商品やサービスを探しています。また、Amazonセラーにとっても自分たちの商品を顧客に検討してもらうための手段となっています。しかし、GoogleやYahooなどのアマゾン外部の検索エンジンからの流入(=オーガニックトラフィック)を無視してよいというわけではありません。
今でも多くの人が、Googleで商品を探して買い物をするため、Amazonの商品ページも、需要のある製品やサービスを検索したときに目に止まるよう、日々改善を重ねる必要があります。例えば、SONYのBluetoothスピーカーをAmazonで販売しているとします。このとき、Googleで「Bluetoothスピーカー 高品質」などと検索されたら、すぐに商品が見つかると良いですよね?
そこで登場するのが、Amazon正規のカノニカルURLです。典型的なウェブサイトのSEOにおいて、URLが重要な役割を担うように、Amazonにとっても大切であるため、カノニカルURLを設定・継続していく必要があります。
このガイドでは、Amazon URLについて知っておくべきことをすべて紹介いたします。仕組みやURLの作成方法について、ステップバイステップで解説します。Amazonでの販売経験の有無にかかわらず、今回のガイドはきっと役に立つはずです。
AmazonのカノニカルURLとは
AmazonのカノニカルURLとは、商品ページに直接飛べる外部で表示されるURLを指します。Amazon.co.jpに続く形で、商品の属性を指定する関連情報が記載されます。参考例として、”Amazon Kindle Paperwhite”のCanonical URLを見てみましょう。
ご覧の通り、商品のカノニカルURLにはASIN以外にも様々な情報が含まれています。もちろん、商品ページへのURLはASINだけでも問題ないのですが、GoogleがASINと検索ワードと照合する機能をもっているわけではなく、Googleなどの検索エンジンは、ASINではなく、「Kindle /8インチディスプレイ/ 色調調節ライト搭載」といった、URLに含まれたキーワードを主に参照して商品を探し出します。そのため、AmazonカノニカルURLにはその商品を象徴するキーワードが含まれているのです。
またGoogleなどの検索エンジンは、カノニカルURLを確認してから、その情報に基づいて検索結果の表示順を評価していることがわかっています。このように、AmazonのURLは、キーワードが含まれている場合にのみ、正規のURLと呼ぶことができ、逆にASINだけで構成されたURLは、正規URLではないということになります。
ここまでで、Amazon URLとは何かの大枠はご理解いただけたのではないでしょうか。しかし、「Amazonにはすでに商品を識別する効果的なシステムがあるのに、なぜそんなものが存在するのだろうか」と疑問に思っていませんか?そこで、今回はAmazonのURLを、開発者が実際のSEOで使用するウェブページのスラッグと照らし合わせながら、より詳しくご紹介いたします。
具体的な仕組み 〜商品名より効果的?〜
AmazonのカノニカルURLは、ウェブ業界で広く知られているウェブページのスラッグ(URLの末尾に見られる、そのページの属性を載せた文字列)に類似しています。検索エンジン視点では、リンク先のページで紹介されている商品の情報を取得する手段となっています。その為、GoogleやAmazonで欲しいと思えるKindle Paperwhiteを探している人にとっても、より良いページを表示させることができるのです。
AmazonのカノニカルURLとリンク配置は、ページに掲載されている情報をGoogleに提供しているため、Amazon商品ページのURLを正規化することによって、GoogleとAmazonの両方のSEOにとって利点があります。
Google SEO
Google SEOの可視性は、おそらくAmazonのカノニカルURLが果たす最も重要な役割です。Amazonは、顧客が一般的なキーワードで検索したときに、製品が見つかるようにしたいと考えています。例えば、Bluetoothスピーカーを検索する際、「ソニー Bluetooth スピーカー」や「Bluetooth スピーカー ソニー製」のような正確なキーワードで検索するとは限りません。代わりに、「Bluetoothスピーカー」「防水スピーカー」「ソニー スピーカー」といった一般的なキーワードを使う場合もあります。
ここで、Amazonの非正規URLが制約を受けることになります。URLに一般キーワードが含まれていない場合や、商品タイトルの説明が不十分なこともあるからです。また、商品説明には、Googleがピックアップするキーワードが含まれていない可能性もあります。
AmazonのカノニカルURLは、重要キーワードをURLに追加することによって、この問題を解決してくれます。セラーが登録しない場合は、検索エンジンのパターンに基づいて自動的に追加されます。
そのため、カノニカルURLを設定した後に誰かがこれらの一般キーワードを使ってgoogleで検索をすると、カノニカルURLを持つAmazon商品ページが表示されやすくなり、このリンクだけで売上を大きく伸ばすことができるのです。
Amazon SEO
毎日、何千もの商品が新規登録されており、カテゴリ内の販売競争は増すばかりです。では、ユーザー目線のキーワードで検索したときに、最適な商品を掲示するためには、Amazonの検索システムは何をしているのでしょうか。
商品タイトルだけでは十分ではありません。カノニカルURLは、Amazon自体(Amazon A9が)が商品の主な特徴を理解するうえで、重要な役割を果たしています。
例えば、BluetoothスピーカーのカノニカルURLに「防水」という用語が含まれていれば、Amazonはその商品が防水であることを確信します。これは、内蔵の検索エンジンが、非防水の競合品と当該商品を区別するのに役立っています。
また、AmazonのカノニカルURLは、商品のランキングにも影響を与えているとも言われています。
したがって、たとえGoogleからのオーガニックトラフィックが不要だと判断したとしても(これはあまり賢いとは言えませんが)、AmazonのカノニカルURLを正しく設定しておくことは十分に意味があるものです。
ここまで、AmazonのカノニカルURLの重要性を説明いたしましたが、ここからは、作成方法についてお伝えしていきます。
AmazonカノニカルURLの作成方法
キャノニカルURLを作成するといっても、実際にURLを作成するのではなく、重要なキーワードの設定だけを行います。
AmazonのカノニカルURLの作成手順
- Amazonに出品登録をする前に、まずは市場の分析(キーワード分析)から行います。例えば、Bluetoothスピーカーを販売する場合、どのようなキーワードが検索ランキング上位なのかを確認します。アマゾンのブランド分析やGoogleのキーワードプランナーなどを活用してデータを収集しましょう。
- 続いて、最も重要な5つのキーワードを選定します。
- 次に、これらのキーワードを商品タイトルの部分に入力します。そして、Amazonはこれらのキーワードを使用して、商品のカノニカルURLを自動的に作成しています。文字制限にも留意しましょう。(文字制限についてはアマゾンのガイドラインを参照ください。)ロングテールキーワードとショートフォームキーワードをうまく組み合わせて、リストアップしてみても良いかもしれません。
- 最後に商品登録をして、反映を待つのみです。Amazon側ですべての作業が完了すると、カノニカルURLが生成されます。
手順は非常にシンプルですが、適当にキーワードを選択することは避けましょう。理由としては、第一に、GoogleやAmazonの検索エンジンは、カノニカルURLに含まれるキーワードも、リスティングのパフォーマンスを決定する要素として考えていること。そして第二に、一度設定したキーワードは、リスティングを設定した後に変更することはできないことです(例外的な方法はなくはないですが、㈱ Picaro.aiとしては推奨していません)。より良い検索結果を得るためには、より適切なキーワードが必要なのです。
したがって、一度間違ったキーワードを設定すると、この先ずっと不適切なカノニカルURLとなってしまいます。ご存知の通り、新しく商品登録を設定するのは簡単なことではありません。初期登録の段階で少しでも気をつけていれば、AmazonとGoogle検索での表示回数向上を期待することができます。Canonical URLに関しては、そこまで高度なツールを使わなくても生成でき、Amazonのリスティングに役立つことでしょう。
最後に
Amazonのカノニカル URLについて、ご理解いただけたでしょうか?これは、検索結果の表示回数と販売量を増加させるための効果的な方法であり、商品登録時の追加対応として価値のあるものとなります。
余談ですが、長年アマゾンビジネスをご経験されている方々の中には、スーパーURLや2 step URLという言葉を聞いたことがあるかと思います。これらは2013年頃からアマゾン界隈で利用されていたちょっとしたハッキングで、この手法を使うことでアマゾンのアルゴリズムが、「この商品がこのキーワードでユーザーに検索されて購入に至っているが、非常にパフォーマンスが良いので、オーガニックランキングを上げよう」と勘違いすることを目的としたURLです。
今となってはアマゾンも多数の対策をしているので、これらのURLが効果的に使えることはないのですが、今回のブログのカノニカルURLと考え方が似ている部分があることと、意外と2 Step URLの勉強をすることで、アマゾンのA9のアルゴリズムを理解できる部分はあるので、お時間がある方はこれらのURLも勉強しておいても良いと思います。(※実際に利用することはお勧めしません)